2016年 春期 応用情報技術者試験 問8

通信販売用Webサイトにおける決済処理の設計

T社ではインターネットを用いた通信販売を行っている。通信販売用Webサイト(以下、Webサイトという)で利用できる決済方法は、クレジットカードを利用して決済するクレジット決済だけであったが、顧客の利便性向上を目的に、新たにU社が運営するコンビニエンスストア(以下、コンビニという)での支払(以下、コンビニ決済という)の導入を検討することになった。

顧客は、購入する商品を選択し、顧客IDを入力して商品の配送先を指定した後、決済方法選択画面から希望する決済方法を選択することが可能となる。

Webサイトでのクレジット決済処理の処理内容を表1に、コンビニ決済処理の処理内容を表2、表3に示す。

表1 クレジット決済処理の処理内容
処理名称処理内容
決済方法選択顧客は、Webサイトが表示する決済方法選択画面で、決済方法としてクレジット決済を選択する。
カード情報入力顧客は、購入代金の決済に使用するクレジットカードのカード情報(カード番号、有効期限、カード名義、セキュリティコード)を入力する。
カード情報送信Webサイトは、クレジットカード会社へカード情報と支払情報を送信し、決済処理を依頼する。その後、Webサイトは、クレジットカード会社から、決済完了かカード利用不可かの回答を取得する。
商品発送Webサイトは、クレジットカード会社の回答が決済完了の場合、配送センタに商品の発送を指示し、同時にWebサイトの画面で顧客に商品の発送を通知する。
再決済依頼Webサイトは、クレジットカード会社の回答がカード利用不可の場合、再度カード情報入力の画面を表示する。
表2 コンビニ決済処理の処理内容(リアルタイム処理)
処理名称処理内容
決済方法選択顧客は、Webサイトが表示する決済方法選択画面で、決済方法としてコンビニ決済を選択する。
決済番号取得Webサイトは、U社に購入情報(金額、入金期限日)を送信し、U社から決済番号を取得する。
決済情報通知Webサイトは、U社から回答された決済番号と金額、入金期限日の情報(以下、決済情報という)を電子メール(以下、メールという)で顧客に通知する。
コンビニ支払顧客は、U社コンビニへ行き、店頭で決済番号を提示して支払を行う。
表3 コンビニ決済処理の処理内容(バッチ処理)
処理グループ処理名称処理内容
入金データチェック入金データ確認Webサイトは、U社から1時間に1回送信される入金データファイルを1件ずつ読み込み、入金データの決済番号がWebサイトで保持している決済番号と一致するかどうかを確認する。
商品発送決済番号が一致し、決済番号に該当する購入情報が購入取消処理によって取り消されていない場合、Webサイトは、配送センタに商品の発送を指示し、同時にメールで顧客に商品の発送を通知する。
入金期限チェックエラーファイル作成決済番号が一致しない、又は決済番号に該当する購入情報が取り消されている場合、Webサイトは、入金データの情報を入金エラーファイルに書き込む。
入金期限確認Webサイトは、1日に1回、商品発送前かつ取消前の購入情報を1件ずつ読み込み、入金期限のチェックを行う。
購入取消購入取消Webサイトは、入金期限日が過ぎても入金されていない購入情報を取り消して、メールで顧客に通知する。

【アクティビティ図】

現在のアクティビティ図を基に、コンビニ決済処理(リアルタイム処理)を加えたアクティビティ図を図1に、入金データチェック処理のアクティビティ図を図2に、入金期限チェック処理のアクティビティ図を図3に示す。

【クラス図】

現在のクラス図を基に、コンビニ決済処理を加えた決済処理に関連するクラス図を図4に示す。

【入金期限チェック処理の処理タイミング】

図2の入金データチェック処理と図3の入金期限チェック処理の処理タイミングについて考察する。

日付が変わった後、入金期限チェック処理の前に必ず入金データチェック処理を実施する必要がある。これは、入金期限チェック処理が入金データチェック処理よりも先に実施された場合に発生する不具合を防止するためである。

平成28年度 春期 応用情報技術者試験 午後