G社は,郊外及び駅前に,加工食品・生鮮食品を主体としたスーパーマーケットチェーンを展開している,中規模の企業である。これまでのターゲット顧客は,郊外の住宅地にある中規模な店舗の場合は,近隣に居住している主婦であり,住宅地と商業地とが混在した地域にある駅前の小規模な店舗の場合は,住宅地の主婦と通勤者である。 G社は,近年,売上高,利益率ともに伸び悩んできたことから,昨年,既存の店舗(以下,実店舗という)の周囲5km圏内に居住する共働き者・単身者をターゲット顧客として取り込もうと,インターネット店舗(以下,ネット店舗という)での販売を開始した。ネット店舗では,実店舗で扱っている商品を対象に,受注は受付センターで行い,梱包と配送の手配は,実店舗で行っている。 今年度,G社の経営企画部では,売上高,利益率を増加するために,実店舗とネット店舗の活性化を柱とする,新たな中期事業戦略を策定することになった。そこで,経営企画部のH部長は,I課長に対して,G社の内部環境と外部環境を整理した上で,中期事業戦略案を作成するよう指示した。
I課長は,中期事業戦略案を策定するために,クロスSWOT分析による戦略オプションを求10のように策定した。 表1 クロスSWOT分析による戦略オプション 機会(O) 脅威(T) 【積極的攻撃戦略】 ・aの品ぞろえを充実して,売上を増やす。 【差別化戦略】 ・商品購入時の心地良い環境を更に整えることによって,bを強化する。 ・口コミを拡大して,新規顧客を開拓する。 【弱点強化戦略】 ・販売機会を拡大する。 ・社内の情報システムを改善する。 【専守防衛,又は撤退戦略】 ・関連商品による範囲の経済性を活用する。 ・aを充実して価格競争を避ける。 I課長は,戦略オプションに基づいて,中期事業戦略案を次のように作成して,H部長に説明した。 ・実店舗,ネット店舗の特性に応じて,aの品ぞろえを充実する。 ・店舗での販売機会を拡大する。 ・情報システムを改善して,コスト低減とマーケティング強化を図る。 ・店舗の心地良い環境を更に整えることによって,bを強化する。 ・ソーシャルメディアを活用して,口コミの拡大を進める。
(1) 本文中のcに入れる適切な字句を5字以内で,dに入れる適切な字句を10字以内でそれぞれ答えよ。
(2) 駅前の実店舗について,ターゲットとする顧客の見直し前と見直し後のポジショニングとして,図1中の記号の適切な組合せを解答群の中から選び,記号で答えよ。ここで,"(見直し前のポジショニング)→(見直し後のポジショニング)"と表記するものとする。
(1) 本文中の下線①について,品ぞろえを充実させる方法を25字以内で述べよ。
(2) 本文中の下線②について,情報システムの改善内容を40字以内で述べよ。
(3) 本文中のe,fに入れる適切な字句を解答群の中から選び,記号で答えよ。