2009年 春期 応用情報技術者試験 問5
DHCPの利用
A社は、ある製品の開発、販売を手掛ける会社であり、企画部の社員30名及び営業部の社員50名はXビル、開発部の社員40名はYビルで勤務している。各社員は、PCを1台ずつ所持し、出社時には、空き机のLANポートにPCを接続し、1日の勤務終了後には、LANポートからPCを外す。
A社では、aために、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を利用している。DHCPは、IPアドレスなどのネットワーク接続に必要な情報、IPアドレスの有効時間を示すリース期間及びサブネットマスクなどのオプション情報をDHCPサーバから自動的に取得し、PCに設定するためのプロトコルである。DHCPでは、リース期間を設定することによって、bを行うので、cができる。
A社のシステム構成は、図のとおりである。XビルとYビルの間を広帯域回線で接続し、ネットワーク管理をしやすくするために、ビルごとにネットワークを分割している。
Xビルに設置されているDHCPサーバとYビルに設置されているDHCPクライアントであるPCとの間でメッセージのやり取りが行えるように、あらかじめ、ルータC
のDHCPリレーエージェント機能を有効にするとともに、ルータCにdのIPアドレスを登録している。DHCPサーバには、eごとにネットワーク設定情報を登録している。ルータCは、DHCPクライアントからネットワーク接続に必要な情報などの取得要求を受けると、DHCPリレーエージェント機能によって、DHCPサーバにその要求を転送する。また、DHCPサーバからの応答をDHCPクライアントに転送する。
現在、A社では、DHCPサーバからPCに設定が可能なIPアドレスの総数を96個と設定している。就業時間中、DHCPによってIPアドレスが設定されているPCの平均台数は、両ビルとも24台である。
PCをネットワークに接続すると、表1の1~4の手順でDHCPサーバとDHCPクライアントであるPCとの間でIPアドレスの設定に必要なメッセージのやり取りが行われる。また、リース期間を延長する場合には、表1の3と4の手順で必要なメッセージのやり取りが行われる。
手順 | 動作 |
---|---|
1 | DHCPクライアントは、ネットワーク上のDHCPサーバを探すために、"DHCPディスカバ"を送信する。 |
2 | DHCPサーバは、提供できるIPアドレスなどのネットワーク設定情報をDHCPクライアントに通知するために、"DHCPオファー"を送信する。 |
3 | DHCPクライアントは、ネットワーク設定情報の使用要求をネットワーク上のDHCPサーバに伝えるために、"DHCPリクエスト"を送信する。 |
4 | DHCPサーバは、ネットワーク設定情報の使用要求が認められたことをDHCPクライアントへ通知するために、"DHCPアック"を送信する。 |
ルータCは、YビルのDHCPクライアントからブロードキャストで送信された"DHCPディスカバ"を受信すると、fでDHCPサーバに転送する。DHCPサーバはユニキャストで"DHCPオファー"をルータCに送信し、ルータCは、このメッセージを、gでDHCPクライアントに転送する。"DHCPリクエスト"と"DHCPアック"も、同様な送受信が行われる。