R社の基幹システムは、システムセンタに設置されたセンタシステムと全国に配置された端末から構成されている。センタシステムと端末とはネットワークで接続されており、予約管理を中心としたオンライン業務に用いられる。センタシステムでは、在庫や予約などのデータをもち、排他制御などのトランザクション管理を伴う並行処理を実行する。端末では自端末で行われた予約などの業務の履歴データをもっている。オンライン業務を行う時間は毎日5時から23時までである。 災害が発生してセンタシステムが使用不能になると、R社だけでなく顧客などの関係者にも多大な影響と損害が及ぶおそれがある。そこで、システムセンタの災害対策として、現在のシステムセンタ(以下、メインセンタという)のほかに、遠隔地にバックアップ用のシステムセンタ(以下、バックアップセンタという)を設けることになった。メインセンタとバックアップセンタの間は専用線で接続する。システムの構成を図に示す。 災害復旧対策における目標とする復旧のレベルの指標として、復旧時間目標(RTO:Recovery Time Objective)及び復旧時点目標(RPO:Recovery Point Objective)を用いる。
表に示す方式A、Bについて、オンライン業務用のシステムの性能に対する影響に関する適切な記述を、それぞれ解答群の中から選び、記号で答えよ。ただし、コピー処理に必要なCPUや外部記憶制御装置の性能は十分であるものとする。
RPOの各レベルを実現するに当たって、夜間のファイル転送のほかに必要になる更新データのコピー方式を、それぞれ表から選び、AまたはBで答えよ。ただし、RPOを実現できるもののうち、オンライン業務用のシステムの性能に最も影響の少ない方式を選ぶものとし、更新データのコピーが必要ない場合は「なし」と答えよ。
表の方式Aによって更新データのコピーを行う場合を考える。本システムのピーク時取扱量は、次のとおりである。 業務データと更新ログの両方の更新データをコピーする場合に、メインセンタとバックアップセンタの間の専用線に必要な伝送速度(Mビット/秒)を求めよ。ただし、データの圧縮は行わず、制御データは無視し、ピーク時の回線の使用率は40%に抑えることとする。 表の方式Aを必要とするRPOのレベルを実現できる範囲で、オンラインでのコピーと夜間に一括して行うコピーを組み合わせる場合、オンラインでコピーするデータの量を必要最小限にすることのできる適切な組合せを次から選び、記号で答えよ。