〔アクティビティリストとプロジェクトスケジュールネットワーク図の作成〕 プロジェクトでは,販売予算システム全体を対象に基本設計を行った後,各サブシステムの詳細設計を開始する。詳細設計では,サブシステムを構成する全てのプログラムの画面項目や処理内容の詳細仕様を決定し,最後にレビューを行う。詳細設計,プログラム作成・テスト,結合テストは,サブシステムごとに行い,サブシステム同士は同時並行に開発を行うことができる。全てのサブシステムの結合テストが完了すると,システム結合テストを開始する。 Y君は,必要なアクティビティ,順序と所要期間を,表1のアクティビティリストにまとめた。 〔プロジェクト期間短縮の検討〕 Y君がプロジェクトの完了予定日を上司に報告したところ,多少コストが増えても構わないから,期間短縮を検討するよう指示された。そこでY君は,期間短縮策として,次の二つの方式を検討した。 方式1:他のプログラムと独立した機能については,サブシステムを構成する個々のプログラムの詳細設計を完了する都度,最後のレビューを待たずに,逐次プログラム作成・テストに着手する。詳細設計とプログラム作成・テストを並行して行うことによって期間を短縮する。予算登録サブシステムでは,設計者とプログラマの日程調整を行えば,この方式で,プログラム作成・テストの開始を20日間早められることが分かった。以後,表1の所要期間のままで,予算登録サブシステムのプログラム作成・テスト完了までの期間を20日間短縮できる。 予算集計と承認ワークフローの各サブシステムについては,開発体制などの理由によって,この方式での期間の短縮はできないことが分かった。 方式2:プログラム作成・テストにプログラマを追加投入することによって,期間を短縮する。Y君は,各サブシステムの所要期間の短縮と必要なコストを検討し,表3のプログラム作成・テストの期間短縮策の候補一覧を作成した。表3の番号①〜③の期間短縮策の候補は,複数を同時に実施することができる。ただし,それぞれは1回ずつしか実施できない。

設問1 図1において,クリティカルパスを構成する一連のアクティビティは何か。一連のアクティビティの記号を,順序に従って,","で区切って全て答えよ。

設問2 Y君の考えた期間短縮策について,図1を基に(1)〜(3)に答えよ。 (1) 方式1及び方式2それぞれの所要期間短縮方法の名称を解答群の中から選び,記号で答えよ。また,各方式によって,プロジェクトの完了予定日は,最短で開始から何日目にすることが可能か答えよ。

(2) 表3のプログラム作成・テストの期間短縮策の候補の中で,単独で実施しても,他の候補と組み合わせて実施しても,プロジェクト期間の短縮に貢献しないものはどれか。①〜③の番号で答えよ。

(3) 方式2において,プロジェクト全体の期間を最大限短縮するために最低限必要な追加コストは何万円か。

設問3 図2中のaからdに入れる適切な数値を答えよ。