J 社は、自社の販売管理システムを再構築するプロジェクトを実施している。プロジェクトでは、設計者が要件定義、方式設計を行った後、ソフトウェアコンポーネント(以下、コンポーネントという)の詳細設計を行う。その後、構築において、開発者がコンポーネントを構成するソフトウェアユニット(以下、ユニットという)のコード作成と単体テストを行う。そして、結合において、コンポーネント内のユニット間、及びコンポーネント間の結合テストを行う。K 君はプロジェクトマネージャを務めている。 販売管理システムは、出荷管理、顧客管理、受注管理、見積り管理の四つのコンポーネントから成る。表1に、これらのコンポーネントのステップ数を示す。 [単体テストの実施と結果の分析] J 社では、単体テストとして、ホワイトボックステストとブラックボックステストを行う。テスト項目の件数は、ユニットへの入力の組合せ数でカウントし、その目標を 1k ステップ当たり 100 以上と定めている。ただし、回帰テストのために同じテスト項目を複数回実行しても重複してカウントしない。テストにおいて期待どおりの処理結果とならない場合には、その原因となる欠陥を特定し、ユニットごとにその欠陥件数をカウントする。 出荷管理、顧客管理、受注管理は、コンポーネントを構成するユニットの単体テストを予定どおりに完了し、結合テストを実施中である。見積り管理は、他よりも遅れて単体テストを完了し、K 君がテスト結果を確認中である。表2は、見積り管理の各ユニットの単体テストで検出された欠陥件数である。

解答群 ア ユニット内の条件判定の組合せ全てを少なくとも1回は実行する。 イ ユニットの全ての分岐を少なくとも1回は実行する。 ウ ユニットの全ての命令を少なくとも1回は実行する。 エ ユニットへの入力データの値の範囲を分割し、各代表値で実行する。 オ ユニットへの入力と出力の因果関係を網羅するよう実行する。

(1) 図1の管理図に対する分析結果として正しいものはどれか。解答群の中から全て選び、記号で答えよ。

(2) 表2において、J社の基準に従うと、欠陥密度以外の観点でテストに問題があると考えられるユニットがある。そのユニットのユニットIDを答えよ。また、その理由を20字以内で述べよ。

(3) 本文中の下線①のL君が行ったユニットP10の単体テストにおける問題点は何か。30字以内で具体的に述べよ。

見積り管理を除く三つのコンポーネントの結合テストにおいて、現状では、検出された欠陥件数が正しく計上されておらず、欠陥件数を修正すると、管理図分析の結果として問題があると考えられるコンポーネントがある。そのコンポーネントを答えよ。また、問題があると考えられる理由を、本文中の字句を用いて20字以内で述べよ。