応用情報技術者試験 過去問 2009年(平成21年) 秋期 午後 問11

ITサービスにおけるサービスサポート

L社は、データセンタを保有し、ITサービスマネジメントを使ってITサービスを提供している。約50台の自社の業務システムサーバをデータセンタ内の専用サーバルーム(以下、社内向けサーバルームという)で運用管理している。

ある平日の昼間、社内向けサーバルームで運用管理している業務システムサーバのうち10台が停止し、業務システムが停止したことを示すアラートがサーバの監視担当によって確認された。サーバの監視担当は、社内向けサーバルームに駆け付け、各サーバに物理的な故障がないことを確かめた。

サービスデスク機能

サーバの監視担当は、サービスデスクに連絡した。サービスデスク担当は、連絡を受けた情報をaデータベースに記録した。このデータベースは、サービスデスク、インシデント管理、問題管理など、サービスサポートの機能や各プロセスで取り扱う情報を一元管理するデータベースである。サービスデスク担当は、本データベースを検索したが、適切な解決策を得られなかったので、インシデント管理担当へエスカレーションした。

インシデント管理プロセス

インシデント管理の目標は、bすることである。

本件において、まず実施すべきアクションは、運用手順に従って、cことである。このアクションの後、業務を再開することができた。

問題管理プロセス

問題管理の目標は、dすることである。

業務システムの緊急再開後、10台のサーバ群が停止した原因を調査した。各サーバの仕様は同一で、サーバ1台当たりの立上げ時の消費電力は20kVA、通常動作時の消費電力は利用度合によって10〜20kVAである。今回停止したサーバ群が設置されている電力線は、電源容量が230kVAに制限されており、現在の設備の制約上、増強ができない。同電力線上に、立上げ時の消費電力が大きい装置を1台、数日前に設置し、本日、これを立ち上げた時にサーバ群が停止したことが判明した。この装置の立上げ時の消費電力は50kVA、通常動作時の消費電力は5〜10kVAである。この装置は試験用に設置したものであり、通常、試験に使用しないときは電源を落としている。

図は、当該装置設置前の同電力線における週次及び日次(木曜日)の消費電力のグラフである。平日は、曜日によらず同じ推移を示していることが分かる。

同電力線の消費電力グラフ。上段は週次の推移(月曜から日曜まで)、下段は木曜日の日次推移(0時から24時まで)を示している。平日は同じ消費電力パターンを示している。
図 同電力線の消費電力(上:週次、下:木曜日の日次を拡大)

今回のサーバ停止の直接原因は、同電力線におけるeであった。図から、立上げ時の消費電力が50kVAの当該装置を立ち上げる場合、少なくとも平日のfg時の間を避けなければならないことが読み取れる。これを基に、当該装置の立上げ日時の調整を問題解決策として採用することにした。

出典:平成21年度 秋期 応用情報技術者試験 午後