情報処理安全確保支援士試験 過去問 2019年(令和元年) 春期 午後Ⅱ 問2

情報セキュリティ対策の強化

A社は、従業員数200名の金型加工業者である。新潟市内の同じ敷地に本社と工場があり、大阪市に営業拠点がある。本社には、管理部、設計部及び製造部がある。管理部には、総務係、営業係及びシステム係がある。営業係は、営業拠点を管理する。製造部は、工場を管理する。

A社の金型加工技術は、評価が高く、大企業から金型加工を請け負うことがある。請け負うときは、金型加工に必要な情報を収めたファイル(以下、設計情報ファイルという)を、DVD-Rまたは電子メール(以下、メールという)を使って、発注元との間でやり取りする。

A社では、最新技術の情報収集を目的として、取引先が参加している複数のメーリングリストに、営業係員及び設計部員が参加している。

営業秘密の取扱い

A社では、自社の営業秘密が不正競争防止法で保護されるようにするために、不正競争防止法及び経済産業省が公表している営業秘密管理指針(平成27年1月28日全部改訂)を参考にして、表1に示す営業秘密に関する管理規則を定めている。

表1 営業秘密に関する管理規則(概要)
要件名 管理規則(概要)
a 営業秘密を含む文書は、全てのページにA社秘密情報と記載すること
閲覧できる者を、A社の業務上必要な従業員に制限すること
b A社で開発し、A社の事業に必要な金型加工技術の情報を、営業秘密とすること
c 営業秘密は、一般的に知られた状態にならないように、業界誌などの刊行物に掲載しないこと

A社のネットワーク構成

A社では、デスクトップPC(以下、DPCという)を、全ての従業員に貸与している。DPCの社外への持出しは、禁止されている。

A社は、クラウドサービスTを利用している。クラウドサービスTの機能とA社での利用方法の概要を表2に示す。

表2 クラウドサービスTの機能とA社での利用方法の概要(抜粋)
サービス名 IPアドレス 機能名 機能と利用方法の概要
権威DNSサービス x2.y2.z2.2 ドメイン名登録及び提供機能 インターネット上向けのA社ドメイン名の情報を登録し、提供する。
DNSキャッシュ機能 インターネット上のドメイン名の名前解決を行う。
オープンリゾルバ対策として、クラウドサービスT上のサーバからの名前解決だけを許可する。
メールサービス x2.y2.z2.17 メール転送機能 SMTPを使用し、インターネットとの間でメールを転送する。
迷惑メールの踏み台として使われないよう、d対策として、インターネットから転送されてきたメールのうち、宛先メールアドレスのドメイン名がA社ドメイン名のメールだけを受信する。
マルウェア対策機能 送受信時にメールのマルウェアスキャンを行い、マルウェアが検知されたメールを隔離する。
Webメール機能 DPCとメールサービスとの間は、HTTP over TLSを使用する。
Webメール接続元制限機能 A社のネットワークからの利用だけが可能となるよう、①特定のネットワークからの接続だけを許可している。

A社のネットワーク構成を図1に、A社のネットワーク一覧を表3に示す。

A社のネットワーク構成図
図1 A社のネットワーク構成
表3 A社のネットワーク一覧
ネットワーク名 ネットワークアドレス
DMZ x1.y1.z1.16/29
内部システムLAN 192.168.1.0/24
管理部LAN 192.168.16.0/24
設計部LAN 192.168.19.0/24
製造部LAN 192.168.21.0/24
工場LAN 192.168.32.0/24
拠点LAN 192.168.64.0/24

A社の情報システム

DMZ上のサーバには、グローバルIPアドレスを割り当てている。DMZ上のサーバの概要を表4に示す。

表4 DMZ上のサーバの概要(抜粋)
サーバ名 IPアドレス 機能名 機能と利用方法の概要
A社キャッシュDNSサーバ x1.y1.z1.17 DNSキャッシュ機能 インターネット上のドメイン名の名前解決を行う。
オープンリゾルバ対策としてeからの名前解決だけを許可する。
時刻同期機能 国立研究開発法人情報通信研究機構がインターネット上で公開しているfサーバと時刻同期を行う。
プロキシサーバ x1.y1.z1.18 URLフィルタリング機能 接続元IPアドレスごとに、接続できるURLを制限する。

内部システムLAN上のサーバの概要を表5に示す。

表5 内部システムLAN上のサーバの概要(抜粋)
サーバ名 IPアドレス 機能名 機能と利用方法の概要
DHCPサーバ 192.168.1.2 DHCP機能 IPアドレスを割り当てるDPCのMACアドレスをあらかじめ登録しておく。
登録済みMACアドレスのDPCにIPアドレスを割り当てる。
設計情報管理サーバ 192.168.1.3 設計情報管理機能 利用者は、Webインタフェースを用いて、設計情報ファイルのアップロード、ダウンロード及び検索を行うことができる。
利用者IDとパスワードで利用者認証を行う。
パスワードは10字以上とし、英数字及び記号を使用できる。
設計部のサーバ管理者が、利用者IDと初期パスワードを登録する。
フォルダごとにアクセス権限を設定できる。現在は、利用者IDごとに割り当てられたフォルダ配下のファイルにアクセスできる。
アクセス制限機能 接続元のIPアドレスによってアクセスを制限する。アクセスを許可するIPアドレスには、A社で利用するプライベートIPアドレスを登録する。
製造情報管理サーバ 192.168.1.4 製造情報管理機能 (省略)

A社では、全ての従業員に個別のメールアドレスを割り当てており、従業員は、メールサービスを用いてメールを送受信している。

従業員のメールアドレス以外に同報用のメールアドレスがあり、このアドレスに届いたメールは、登録された従業員のメールアドレスに同報される。

従業員は、第三者に秘匿したい電子ファイルをメールに添付し、金型加工の発注元との間で送受信する場合には、ZIP形式で圧縮している。メール添付する際の圧縮ファイルの取扱いについては、次のルールを定めている。

  • 発注元ごとの打合せで取り決めた、12字以上の英数字及び記号で構成されるランダムな文字列から成るパスワードから生成した鍵を用いて暗号化する。
  • 暗号化アルゴリズムは、gを用いる。gは、hが選定した、電子政府における調達のために参照すべき暗号リスト(平成30年3月29日版)でも利用が推奨されている共通鍵暗号である。hは、暗号技術の適切な実装法や運用法の調査及び検討を行う国内のプロジェクトである。

設計情報管理サーバの利用者は、設計部員及び製造部員である。利用者IDは、利用者のメールアドレスである。初期パスワードには、メールアドレスと同じ文字列を登録し、利用者に通知する。利用者は、自身でパスワードを変更することができる。

FW、プロキシサーバ、内部システムLAN上のサーバ、及び全てのDPCは、A社キャッシュDNSサーバとの間でfを用いて時刻同期を行っている。

DPCのIPアドレスは、DHCPサーバのDHCP機能及びL3SWのDHCPリレーエージェント機能によって、動的に割り当てられる。

A社では、DMZ上及び内部システムLAN上にあるサーバの名称とIPアドレスの対応をDPCのhostsファイルに設定している。

DPC、DMZ上のサーバ及び内部システムLAN上のサーバは、導入時に、OS、アプリケーションソフトウェア及びマルウェア対策ソフト(以下、これらを併せてA社標準ソフトという)に脆弱性修正プログラムを適用し、マルウェア対策ソフトはマルウェア定義ファイルを導入時点での最新版に更新している。

導入後は、プロキシサーバ経由でA社標準ソフトの各ベンダのサイトに毎月末に自動で接続し、それぞれの脆弱性修正プログラムを適用している。

DPC及びサーバ上のマルウェア対策ソフトは、起動時及び起動後2時間おきにプロキシサーバ経由でマルウェア対策ソフトベンダのサイトからマルウェア定義ファイルをダウンロードし、更新している。マルウェア対策ソフトでは、ファイルを読み書きするときにマルウェアスキャンする機能(以下、リアルタイムスキャンという)を有効にするとともに、全てのファイルをマルウェアスキャンする機能(以下、フルスキャンという)を、毎週火曜日12時に実行している。フルスキャン実行時、CPUの負荷を減らすために、圧縮ファイルは対象外としている。

情報漏えいの発生

6月7日、金型加工業者B社のL氏から、設計情報管理サーバの管理者である設計部のJさんに、A社の情報が漏えいしているおそれがあると連絡があった。Jさんは、設計部長及び管理部のE部長に報告した。Jさんの報告内容を、次に示す。

  • L氏が、検索サイトで金型技術情報を検索したところ、A社とB社が共同で展示会に出品する金型(以下、共同出品金型という)の設計情報ファイル(以下、ファイルSという)と同じ名称のファイルが、あるWebページに掲載されていることを発見した。
  • ファイルSは、DVD-Rに保存し、6月1日にJさんからL氏に手渡している。(以下、当該DVD-RをDVDSという)
  • L氏が、掲載されていたWebページを確認したところ、ファイルSと同じ名称をもつファイルの更新日付は6月4日と表示されていた。
  • L氏は、掲載されていたファイルがファイルSと同一であるかどうかの確認及びB社における設計情報ファイルの管理状況の調査を、B社のセキュリティ担当者に依頼した。

B社のセキュリティ担当者は、同一ファイルであることを確認するためファイルのiを調べた。その結果、DVDS中のファイルSのiと同じであったので、同一ファイルであることが確認された。

B社では、全ての設計情報ファイルを、設計室の閉じたネットワークにだけ接続されたPC及びサーバで利用しており、インターネットに漏えいする可能性は低い。

B社では、DVD-Rなどの外部記録媒体の持込み、持出し及び使用を管理している。管理記録によれば、DVDSに関する記録は、設計室内への持込み及び設計室内での使用だけであった。

L氏は、A社から漏えいした可能性があるとして、A社に調査を求めてきた。

情報漏えいの調査及び一時的な対処

E部長は事態を重く見て、ファイルSの漏えいについての調査、及び必要であればその対処、並びにA社全体としての情報セキュリティ対策強化策の検討をシステム係のFさんに指示した。さらに、A社の情報システムの導入及び運用を支援しているシステム会社と一緒に調査することにし、システム会社のG氏が協力することになった。

Fさん及びG氏は、まず、情報漏えいの調査及び一時的な対処を実施し、その後に、A社全体としての情報セキュリティ対策強化策を検討することにした。

Fさんは G氏の協力を受けて、FW、DMZ上のサーバ及び内部システムLAN上のサーバの調査を開始した。Fさんと G氏は、設計情報管理サーバからファイルSが取り出された可能性が高いと考え、設計情報管理サーバのアクセスログを調査した。

その結果、ファイルSを作成するためにJさんが設計情報管理サーバに登録した利用者ID kyoudou@a-sha.co.jp(以下、ID-Kという)による不審なアクセスが6月1日に発生していることが判明した。設計情報管理サーバの 6月1日のアクセスログのうち、利用者IDがID-Kのものを表6に示す。

表6 設計情報管理サーバのアクセスログ
項番 接続元IPアドレス 日時 利用者ID ログ項目
1 192.168.19.8 6/1 11:40:30 kyoudou@a-sha.co.jp ログイン成功
2 192.168.19.8 6/1 11:41:40 kyoudou@a-sha.co.jp kyoudousyuppin.zipをアップロード
3 192.168.19.8 6/1 11:42:50 kyoudou@a-sha.co.jp ログアウト
4 192.168.64.3 6/1 16:50:00 kyoudou@a-sha.co.jp ログイン失敗
5 192.168.64.3 6/1 16:50:05 kyoudou@a-sha.co.jp ログイン失敗
6 192.168.64.3 6/1 16:50:09 kyoudou@a-sha.co.jp ログイン失敗
7 192.168.64.3 6/1 16:50:13 kyoudou@a-sha.co.jp ログイン成功
8 192.168.64.3 6/1 16:50:20 kyoudou@a-sha.co.jp ファイル一覧表示
9 192.168.64.3 6/1 16:51:30 kyoudou@a-sha.co.jp kyoudousyuppin.zipをダウンロード

Fさんが、ID-KについてJさんに確認したところ、ID-Kは、共同出品金型の設計に携わっているJさん及び2名の設計部員(以下、3名を併せて、共同出品担当メンバという)が利用していた。

さらに、表6の接続元IPアドレスに記録されたDPCを特定するために、DHCPサーバのログを調査することにした。DHCPサーバの6月1日のIPアドレス割当ログのうち、割り当てたIPアドレスが192.168.19.8又は192.168.64.3であるものを表7に示す。

表7 DHCPサーバのIPアドレス割当ログ
項番 対象DPC 日時 ログ項目
1 JさんのDPC 6/1 08:30:00 IPアドレス192.168.19.8を割り当てた。
2 営業係Kさんの DPC 6/1 11:30:00 IPアドレス192.168.64.3を割り当てた。
3 JさんのDPC 6/1 11:50:30 IPアドレス192.168.19.8を解放した。
4 営業係KさんのDPC 6/1 17:30:20 IPアドレス192.168.64.3を解放した。

Fさんは、②サーバのログの調査だけでは操作者を特定するには不十分なので、当事者へのヒアリング及びDPCの動作ログの調査が必要であると判断した。ヒアリング及び調査の結果を図2に示す。

  1. 共同出品担当メンバへのヒアリング及び調査の結果
    • 6月1日の行動
    • 08:30 3人とも、出社し、DPCを起動した。
      08:35 共同出品金型の設計をJさんが始めた。
      11:40 設計を終え、設計情報管理サーバにID-Kでログインし、ファイルSをアップロードした。アップロード後、ログアウトした。
      11:45 ファイルSをDVDSに保存した。
      11:50 3人とも、DPCをシャットダウンした。
      13:00 B社との打合せ及びDVDSの手渡しのために、3人でB社に向かった。
      13:30 3人とも、B社に到着し、L氏にDVDSを手渡し、打合せを始めた。
      17:30 3人とも、打合せを終え、B社から直接帰宅した。

    • 6月4日の行動
    • 3人とも、社外の研修に終日参加していた。

  2. Kさんへのヒアリング及び調査の結果
    • 6月1日の行動
    • 11:30 外出先から戻り、DPCを起動した。
      11:35 取引先向け資料の作成を始めた。
      16:30 取引先向け資料に関する打合せを上司と始めた。
      17:30 上司との打合せを終えて、DPCをシャットダウンした。
      18:00 帰宅のため会社を出た。

    • 6月4日の行動
    • 08:30 出社し、DPCを起動した。
      08:35 提案資料の作成を始めた。
      17:25 提案資料を保存し、DPCをシャットダウンした。
      17:30 帰宅のため会社を出た。

    • 設計情報管理サーバへのアクセス
    • Kさんには設計情報管理サーバの利用者IDの割当てはなく、アクセスできない。

図2 ヒアリング及び調査の結果

ヒアリング及び調査の結果、Fさんは、③表6の項番4から項番9のアクセスは、共同出品担当メンバの操作ではなく、KさんのDPCがマルウェアに感染し、マルウェアによってファイルSが漏えいした可能性があると判断した。Fさんは、E部長に報告するとともに、調査のために、KさんのDPCを回収し、予備のDPCをKさんに貸与した。

さらに、ID-Kは不正ログインに使用されたので、Fさんは、Jさんに、④ID-Kへの一時的な対処を依頼した。

Fさんは、G氏のアドバイスを受けながら、JさんとKさんへの追加のヒアリング及び調査を行った。それらの結果を図3に示す。

  1. Jさんへの追加ヒアリング結果
    • 4月に、共同出品金型用の同報用メールアドレス kyoudou@a-sha.co.jp を登録してもらった。同報先には、共同出品担当メンバを登録してもらった。
    • kyoudou@a-sha.co.jp は、共同出品関係者とのメールのやり取りにおいて Cc の宛先としている。社外のメーリングリスト宛てにメールを送信した時に、kyoudou@a-sha.co.jp を Cc に指定したこともある。
    • JさんがファイルSを作成するために、4月にID-Kを設計情報管理サーバに登録した。
    • ID-Kのパスワードは、初期パスワードのまま変更していなかった。
  2. Kさんへの追加ヒアリング結果
    • 5月21日9時、DPCからメールサービスにアクセスした。
    • 送信者が送信会社のメールアドレスになっており、かつ、ZIP形式のファイルが添付されたメールが届いた。
    • 添付ファイルをDPCにダウンロードし、保存した。
    • 保存した添付ファイルを展開したところ、PDFファイルがあり、ファイル名が"送付状"であったので開いた。身に覚えがない内容だったので、PDFファイルを削除した。
    • 6月5日9時、上記添付ファイルを誤って再び展開したところ、リアルタイムスキャンによって、PDFファイルがマルウェアXとして検知され、PDFファイルを削除したとのメッセージがDPCに表示された。直ちに、PC上の上記添付ファイルを削除した。マルウェアの対処は完了したものと判断した。
    • 6月5日13時、フルスキャンによって別のファイルがマルウェアYとして検知され、削除された。
  3. マルウェアXに関する情報
    • ダウンローダ型のマルウェアであり、攻撃者が用意したC&C(Command and Control)サーバのURLが内部に保持されている。C&CサーバからマルウェアYをダウンロードし実行する。
    • PDF閲覧ソフトの脆弱性を悪用してPCに感染する。5月16日にリリースされたPDF閲覧ソフトの脆弱性修正プログラムが適用されていれば、マルウェアYをダウンロードしない。
  4. マルウェアYに関する情報
    • PCのhostsファイルを用いて、Webサーバを探索する。
    • Webサーバが見つかると、C&Cサーバから取得した利用者IDとパスワードのリストを用いてログインを試みる。ログイン成功すると、クローリングしてファイルを一つずつダウンロードし、攻撃者が用意したサーバにアップロードする。
  5. マルウェア対策ソフトベンダの対応
    • 5月28日10時、マルウェアXに対応したマルウェア定義ファイルをリリースした。
    • 6月5日10時、マルウェアYに対応したマルウェア定義ファイルをリリースした。
  6. フルスキャン実施
    • 6月8日10時、Fさんは、マルウェア対策ソフトで圧縮ファイルをフルスキャンの対象とするように一時的に設定を変更した後、最新のマルウェア定義ファイルに更新し、フルスキャンを行うように全ての従業員に指示した。このフルスキャン実施では、マルウェアは検知されなかった。
  7. 他のサーバの調査
    • 製造情報管理サーバのログを調査したところ、不審なログインの記録はなかった。
図3 追加のヒアリング及び調査の結果

G氏は、図3の(2)について、マルウェア対策ソフトでマルウェアが検知されたにもかかわらず、報告がなかったので、A社としての対策がとれなかったことへの改善が必要であると指摘した。Fさんは、図3及びG氏の指摘を踏まえ、(あ)~(え)の作業計画を作成した。

 (あ) 設計部長に報告するために、情報漏えいの経緯をまとめる。

 (い) 類似のマルウェア感染を防止する対策を検討する。

 (う) 設計情報管理サーバへの不正ログイン対策を検討する。

 (え) サーバ及びDPC それぞれの、マルウェア対策ソフトの状態と脆弱性修正プログラムの適用状況を集中管理する仕組みを導入する。

Fさんは、(あ)~(え)の作業計画をE部長に報告し、実施についての了承を得た。

(あ) について、Fさんは、情報漏えいの経緯をまとめ、E部長が設計部長に報告した。

(い) について、Fさんは、類似のマルウェア感染を防止する対策として、今回の感染の経緯と類似のマルウェアへの注意点を社内に周知した。

さらに、圧縮ファイル中のマルウェアが検知されなかったことについて、Fさんは、平常時も圧縮ファイルをフルスキャンの対象とすべきかをG氏に相談した。G氏は、平常時の運用では、圧縮ファイルをフルスキャンの対象にしなくても DPC がマルウェアに感染するリスクは変わらないと考え、⑤その理由をFさんに説明した。Fさんは、圧縮ファイルをフルスキャンの対象外とするという設定は変えないことにした。

設計情報管理サーバへの不正ログイン対策の検討

(う)について、Fさんは、設計情報管理サーバへの不正なログインの経緯及び設計情報管理サーバの利用状況を踏まえ、⑥設計情報管理サーバへのアクセスを制限する設定変更案及び⑦パスワードに関する運用方法の見直し案を作成し、Jさんに提案した。JさんはFさんの提案どおりに設定の変更及び運用方法の見直しを実施することにした。

さらに、FさんとG氏は、ID-Kのように利用者IDを共用する限り、パスワードの管理は不十分になると考えた。そこで、利用者IDの共用は全て禁止し、フォルダへのアクセス権限を利用者IDごとに設定する案を作成した。

Fさんんは,検討結果をE部長に説明し,了承を得てJさんに実施を依頼した。

集中管理の仕組みの導入

(え)について、Fさんは、次の機能を備えた集中管理サーバの導入案を作成した。

  • マルウェア定義ファイルを配信し、配信状況を管理する機能
  • マルウェアの検知をjする機能
  • 脆弱性修正プログラムを配信し、配信状況を管理する機能

Fさんは集中管理サーバの導入案を、E部長に説明した。E部長は、役員会で集中管理サーバの導入を提案し、集中管理サーバの導入費用が次年度の設備導入予算に組み込まれることになった。E部長は、一連の対処及び施策を設計部長に報告した。

平成31年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午後Ⅱ 問2